
地元の産品と地域社会がつながっている
- −北海道の紋別から群馬県の高崎へ転居してどんな変化がありましたか?
- アダム:
私たちが紋別市にいた時は、最寄りの映画館やマクドナルドに行くには車で最低でも1時間はかかっていました。札幌に行くときなんか5時間近くかかりましたよ。
マリー:
ここは、最寄り駅(北陸新幹線の安中榛名駅)まで30分なので、以前と比較べて旅行するにはとても便利ですね。本当に便利で、倉渕での生活は何も問題はないです。(笑)
アダム:
東京へはたった1時間で行けるので、ここへ来てから最初のころはよく出かけました。田舎にいながら、同時に都会に近いという点が、とても気に入っています。
- −他には?
- アダム:
「道の駅くらぶち小栗の里」でよく買い物をしていますね。道の駅には地域の人たちが作った野菜やお惣菜などいろいろなものが売られていて、行くたびにワクワクしています。
マリー:
確かに。北海道に住んでいた時は、カニなどの海産物は身近だったけど、大好きなイチゴやトマトはなかったの。そういったものが身近に手に入るのはありがたいですね。

他にも、子どもたちは田んぼを通って学校へ行くし、秋には栗をポケットいっぱいにして帰ってくることもあるんですよ。
- −ハイキングやスキー、温泉…充実したアウトドア・ライフ
- アダム:
私は、この辺りでハイキングをするのがとても好きです。北海道でもハイキングはかなりやりましたが、自然環境が全然違いますね。北海道ではヒグマに気を付けていましたが、こちらではイノシシやサルがすぐそこにいます。初めて働いた日に、(KEVの)村長が、「そこにサルがいるぞ!」と指差して教えてくれたときは、ほんとうにビックリしました。(笑)
マリー:
私のお気に入りは、スキーですね。昨年、子どもたちを連れて行ったのですが、本当に楽しかったです。
アダム:
コロナ禍では外食に行けないので、四万温泉のようなソーシャル・ディスタンスをとれる場所に行くようにしています。他にも、露天風呂付客室のある旅館など、ほかの人たちと接触しないで過ごせるところに行っています。その意味で、群馬はたくさんの機会に恵まれていますね。ここ倉渕だけでも、温泉が3か所ありますし。
マリー:
ほんと、そのとおり。近場で楽しむことができるんですから。これはほんとうに素敵なことで、私たち2人とも、温泉は特にお気に入りです!
アダム:
昨年は、子どもたちを草津温泉に連れて行って、「温泉カルチャーデイ」を企画したこともありました。草津では、湯もみや温泉の歴史など、多くのことを学ぶことができました。

- −将来の計画は?
- アダム:
高崎市も育てる会も、私たちの教育方針を理解しここで働くことを応援してくれています。それも、ここで働き続けたいと思う理由のひとつですね。
マリー:
これから先、どうなるかは分からないですが、私も少なくともあと数年、ここに住んで働き続けたいと思っています。
- インタビュー:アリエル・ブセット (Arielle Busetto, JAPAN Forward)

「くらぶち英語村」(KEV)
外国人スタッフと群馬県高崎市倉渕町の緑豊かな自然の中で共同生活し、実践的な英語を身につけることを目的とした山村留学の教育施設。高崎市が運営。対象は、小学1年生から中学3年生まで。「通年」、「週末」、「短期」の3コースがある。問い合わせは、電話:027-384-4508まで。
https://www.kurabuchi-eigomura.jp/